腎盂癌 renal pelvic carcinoma
腎杯、腎盂から発症する尿路上皮癌である。従来は、肉眼的血尿、腹痛を主訴として受診する患者がほとんどであったが、近年では超音波検査の普及により、血尿、腹痛がなくても発見されるようになってきた。
超音波所見
- 中心部高エコー内に、腎実質とほぼ等エコーレベルあるいは無~低エコーレベルとして認められる。
- 中心部高エコー内の腫瘤性病変により、水腎症を伴っていることが多い。
- 乏血性腫瘍で腎盂腫瘍内には血流信号はみられない。
- 3cm以下では超音波検査で検出することは難しい
鑑別疾患
腎細胞癌:
- 腎盂癌と腎盂側へ発育した腎細胞癌との鑑別が問題になる。これらの鑑別点として、腎細胞癌は、腎被膜すなわち辺縁低エコー帯を認める場合が多い。また出血巣、壊死巣を伴うことから不均一な場合が多い。これに対して腎盂癌は被膜をもたず、内部エコーは比較的均一である。
- カラードプラ法を用いれば、腎内血流は腎細胞癌では腎腫瘍内部に高率に検出されるが、腎盂癌ではほとんど検出されない。
腎洞脂肪腫:
- 中心部高エコー内に存在する脂肪織が増生した状態で、境界不明瞭な低エコー領域として検出される。
日超検腹部超音波テキストを主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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