肝血管腫
肝血管腫は肝臓の中に毛細血管が増殖して腫瘤状に発育したもの。
病理組織学的に海綿状血管腫、毛細血管性血管腫、静脈性血管腫があるが、海綿状血管腫が最も多い。
あらゆる年齢層に見られるが、女性に多い。
小さな血管腫では血洞の径が小さく、多重反射等で高エコーを呈しやすい。
大きな血管腫では血洞が大きくなり、多重反射しにくくなる。
また体位変換等により、内部血流の変化等の影響が受けることにより内部エコーレベルが低下する。辺縁はmarginal strong echoを呈する。
- エコー所見
- 境界明瞭、輪郭不整な類円形
- 内部エコーにより高エコー型(2cm以下では90%以上)、辺縁高エコー型、混在型(2cm以上)、低エコー型(10%程度)
- 内部エコーの変化(chameleon sign)
- marginal strong echo
- 後方エコー増強
- Halo(腫瘤境界部の低エコー帯)を認めない。
- 血流信号は少なく、腫瘍辺縁部に点状に認められる。
- 血流信号は定常性、時に拍動性で、A-P shuntを認める場合や血流が豊富な場合もある。
- CT所見
- 単純CTでは境界鮮明で細かい凸凹のある均一低吸収域を示す。血液と同濃度である。
- DynamicCTは造影剤投与1~2分腫瘤は辺縁から濃染し、時間経過とともにゆっくりと次第に全体が染まり、等~高吸収域となり、造影効果は5~10分以上持続する。また腫瘍内部が点状または斑状に濃染される。(dotty enhancement)
- 造影CTで腫瘍内の染まらずに残る領域は血栓や線維化部分である。
- MR所見
- T2強調像で腫瘤は均一かつ著しく高信号を呈する。確定診断を下すことができる。
- 石灰化、線維化、出血などの変化を伴う大きな腫瘍の場合は腫瘤内部が均一な高信号にならなくなる。
- 肝血管腫で見られるサイン
- Wax and wane sign:肝血管腫の内部エコーは経時的に変化する。
- Disappearing sign:術中エコーで肝表面より血管腫を圧迫するとエコーレベルが低下する。
- Chameleon sign:体位変換により内部エコーが変化する。
限局性結節性過形成(focal nodular hyperplasia:FNH)
特徴的な中心瘢痕を認める過形成結節。通常非肝硬変に生じ単発が多いとされている。
血流異常が結節の原因とされており、若年女性に多く、経口避妊薬との関連の報告が多い。
悪性化の報告はないがまれに増大を認めた報告もある。FNHと確定診断できれば治療は必須ではない。
- エコー所見
- 形状は不整形
- 境界、輪郭は不明瞭
- 腫瘍内部は低~高エコーさまざま、中心部に淡い高エコー像と隔壁様構造を認めることがある。
- 血流は多く、血流波形は拍動性
- 血管走行は腫瘍中心部から流入し辺縁に広がる。
- Spoke-wheel pattern(車輻状血管構造)
検査をしていて思うこと
肝血管腫は高エコーのものは血管腫だろうと判断できることが多いが、低エコーのものは迷うことが多い。マージナルストロングエコーを確認する。
FNHは一度検査していて見つけたことがあるが、初めは血管腫だと思いレポートを書いたが、他検査などでFNHと診断されていた。Bモードでの見た目は近いので、カラードプラで血流の観察をしっかりすればよかったなと思いました。
腹部超音波ポケットマニュアルを主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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