痛風腎 gouty kidney
痛風腎は、痛風により増加した尿酸結晶が腎実質内に堆積して尿細管の働きを妨げる病態である。この状態が持続すると腎機能の低下を引き起こし、やがては腎不全へと進行する。また、痛風にかかると結石ができやすくなり、結石が尿管を刺激することにより、血尿や激しい痛みが出現する。
超音波所見
腎髄質部分は高エコー像(hyperechoic medulla)として描出される。
鑑別疾患
海綿腎:本症に比べて錐体部のエコーレベルはやや低い。
腎結石:本症に比べて強いエコー像として描出され、音響陰影を認める。
hyperechoic medulla
hyperechoic medullaとは、腎皮質に比べ髄質のエコーレベルは通常低いが、これが逆に髄質のエコーレベルが高くなることをいう。その原因として、高尿酸血症、腎髄質石灰化症、低カリウム血症が知られている。
腎髄質石灰化症では、高輝度エコー像は腹部単純X線写真で石灰化とらえられる以前に出現してくる。石灰沈着が高度になると髄質から音響陰影を生じることになる。髄質の辺縁にリング状に高エコーがみられることがあり、これは腎髄質石灰化症の初期像といわれている。
痛風の発作が頻回に、また数年の経過がある場合では、 尿酸塩の結晶が尿細管に沈着し、髄質の線維化を伴ってやはり髄質は高輝度になる。
日超検腹部超音波テキスト、腹部超音波テキスト<上・下腹部>を主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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