胆嚢・胆管の解剖
胆嚢
- 胆嚢は、肝裏面に付着する卵円形ないし洋梨状を呈する袋状の臓器であり、肝臓で貯蔵された胆汁を貯蔵している。
- 長さは8~10㎝程度で、容積は50mL程度とされているが、個人差がかなりある。
- 頸部にはハルトマン嚢と呼ばれる漏斗状の構造がある。
- 胆嚢管移行部から底部までを3等分し、頸部、体部、底部とする。
- 胆嚢壁は、粘膜、固有筋層、漿膜下層、漿膜の4層からなり、他の消化管と異なり粘膜筋板と粘膜下層がない。(胆嚢床では漿膜もない)
- 肝門部胆管、胆嚢管、肝下面を結ぶ三角部をCalot(カロー)三角と呼ぶ。
- 胆嚢動脈は右肝動脈から分岐後、カロー三角を通過(約80%)して分かれ、肝臓側と胆嚢床に血管網を形成する。
- 胆嚢壁内静脈は胆嚢床では直接肝内門脈右枝へ、胆嚢床以外の胆嚢では胆嚢静脈を経て門脈へ流入する。
胆管
- 肝外胆管は、左右の肝管から十二指腸の乳頭開口部までであり、胆嚢管より肝側にある肝門部領域胆管と十二指腸側に位置する遠位胆管に区分する。
- 肝門部領域では、門脈のやや腹側(浅部)を足側に走行し、遠位胆管は膵上縁から右背側(深部)に向かい乳頭に連続するため、全体としては”逆くの字”の走行となる。
胆嚢の機能と胆汁の役割
胆汁の産生と貯留
- 胆汁は肝臓で1日あたり500~1500mL分泌される。
- 分泌された胆汁は胆管を通り排泄される。
- 排泄された胆汁はOddi括約筋の収縮による胆管内圧の上昇により胆嚢に運ばれ、一時的に貯留される。
胆嚢での胆汁の貯留と十二指腸への排泄
- 胆嚢に貯留された胆汁は1時間あたり20%程度吸収される。
- ただし胆汁酸、コレステロール、ビリルビンは吸収されない。
- 胆嚢内では1日20mL程度の粘液が分泌される。
- 十二指腸に食物が入るとコレシストキニン(CCK)が分泌され、オッディ括約筋が弛緩し、胆嚢が収縮することで胆汁が排出される。
- 胆汁はVater乳頭から十二指腸に流入する。
胆汁の役割
- 胆汁は小腸での脂肪の消化・吸収を促進する。
- 消化・吸収の促進作用は胆汁酸の乳化作用・ミセル形成による。
超音波検査士認定試験対策臨床編:消化器領域を主に参考にして勉強して作成しました。
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