肝内胆管癌(胆管細胞癌) intrahepatic cholangiocarcinoma
肝内胆管(胆管の二次分枝およびその末梢)に発生する癌を指し、左右肝管より下流の胆管に発生した癌(肝外胆管癌)とは区別される。肝内胆管癌のほとんどは管状腺癌である。
肉眼的には腫瘤形成型、胆管浸潤型、胆管内発育型に分類される。
- 腫瘤形成型は、腫瘤境界は明瞭であるが、被膜を有さず、類円形から分葉状を呈する。
- 胆管浸潤型は、周囲の結合織に浸潤性に発育し、境界は不明瞭で、しばしば末梢胆管の拡張を伴う。
- 胆管内発育型は、胆管内腔に乳頭状発育し、胆管内腫瘍塞栓をきたすことがある。これらの型は混合性に認められることもある。
肝内胆管癌の多くを占める腫瘤形成型や胆管浸潤癌またはその混合型は、肝内転移やリンパ節転移、周囲への直接浸潤をきたし、血行性転移も加えた転移率は肝細胞癌よりも高率で、予後も不良である。
超音波所見
腫瘤形成型
- 被膜を伴わない低~等エコー腫瘤
- 境界はやや不明瞭
- 内部は軽度不均一
- 幅の広い辺縁低エコー帯を伴うことがある
- 腫瘤内に管腔構造を認めることがある
- 辺縁に存在するものでは、癌臍を伴うことがある
胆管浸潤型
- 境界不明瞭な等~低エコー腫瘤
- 胆管の途絶像を認め、末梢胆管の拡張を伴う
- 肝門部に発生することが多い
胆管内発育型
- 拡張胆管内に充実性隆起を認める
- 胆管途絶を伴うこともある
超音波検査に役立つ疾患の特徴
- 男性に多く、50~60歳代に好発する
- 30%程度の患者で胆石を合併するが、因果関係は認められていない
- 黄疸は肝内胆管では必発ではない→肝外胆管癌では出現しやすい
肝内胆管癌と血流
- 腫瘍周囲の一部に圧排した血流信号を認めることが多い
- 内部に貫通する血流シグナルを認める場合がある
- 血流波形分析は拍動性、定常性の双方とも認められる
日超検腹部超音波テキストと超音波検査士認定試験対策臨床編:消化器領域を主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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