腹部大動脈瘤 abdominal aortic aneurysm :AAA
大動脈瘤は腎動脈分岐部より末梢で、紡錘状の拡張が多い。最大径が3㎝を超えると大動脈瘤と診断する。(正常は約2㎝で1.5倍以上を瘤とする。)
腹部大動脈は蛇行していることが多く、斜めに計測すると実際よりも計測値が大きくなるため、最大短径を瘤径とする。実際には最も拡張している横断面で、正円形に描出できればその直径、楕円形に描出される場合は短径を計測する。
腹部大動脈瘤は、最大短径5㎝以上の場合や半年で5mm以上の大きくなる場合は、破裂の危険性が高くなるため治療が考慮される。
動脈瘤の形態
- 真性動脈瘤
- 動脈壁の3層構造が保たれている。紡錘状、嚢状のものがある。
- 仮性動脈瘤
- 外傷、感染、真性動脈瘤の破裂によって生じ、3層構造は保たれていない。
- 解離性動脈瘤
- 解離性動脈瘤は中層が2層に解離したものである。
嚢状動脈瘤と仮性動脈瘤は破裂しやすい。
大動脈解離 aortic dissection
大動脈壁が中膜のレベルで剥離あい二腔(真腔と偽腔)になった病態が大動脈解離で、径が拡大し瘤を形成した場合は解離性動脈瘤となる。
大動脈内にflap(解離した内中膜)を認める。内腔の狭いほう、血流の早いほうが真腔で、偽腔が血栓閉塞した場合は横断像で三日月状の壁在血栓様となる。
大動脈解離の分類
- Stanford分類
- A型:上行大動脈に解離があるもの
- B型:上行大動脈に解離がないもの
- DeBakey分類
- Ⅰ型:上行大動脈に内膜裂孔(tear)があり、弓部大動脈より末梢に解離が及ぶもの
- Ⅱ型:上行大動脈に解離が限局するもの
- Ⅲ型:下行大動脈に内膜裂孔(tear)があるもの
- Ⅲa型:腹部大動脈に解離が及ばないもの
- Ⅲb型:腹部大動脈に解離が及ぶもの
検査をしていて思うこと
腹部大動脈をdetectできないことはないけど、腸管ガスで見づらいことがよくある。プローブでの圧迫で見えることが多い。斜めからプローブを当てることによってガスをよけれることも多い。
胆嚢腫大などでも同じですが、蛇行する血管だと最大短径をしっかりと出せているかの判断がつかない。最大面なのか、斜めになっているのか…。
腹部超音波ポケットマニュアルを主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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