膵胆管合流異常

胆嚢胆管

膵胆管合流異常

膵胆管合流異常では膨大部に入る前の括約筋が欠如し、膵液が総胆管に混入して胆管炎を引き起こす。膵管圧が総胆管圧よりも高いために膵液の逆流により総胆管粘膜が障害されるためであり、総胆管の嚢状拡張がみられるものが多いが、みられないものもある。

膵液および胆汁が相互に逆流することにより、胆管炎、胆嚢結石、閉塞性黄疸、急性膵炎など胆嚢、胆管、膵臓にさまざまな症状、病態を引き起こす。胆嚢結石は約20%の症例に合併する。

胆管拡張例では胆管癌の発症が多く、非胆管拡張例では胆嚢癌の発症が多い。逆流した膵液が発癌の原因で、通常の胆管癌や胆嚢癌に比べ発生頻度が高い。

膵胆管合流異常の分類

胆管と膵管の合流形態により3型に分類される

  • 胆管合流型(Ⅱ型):胆管が主膵管に合流するもの
  • 膵管合流型(Ⅰ型):主膵管が胆管に合流するもの
  • 共通管型:中間の形態をとるもの

胆管合流型は肝外胆管が嚢状に拡張した胆管拡張症にみられることが多い
膵管合流型、共通管型は紡錘状拡張型、非拡張型胆管例にみられることが多い

膵胆管合流異常を超音波検査だけで診断することはできない。
超音波画像、臨床症状などから膵胆管合流異常が疑われると、確定診断のためにERCPやMRCPが施行される。
診断が確定すると、膵胆管合流異常が胆道癌の明確なリスクファクターであるため、予防的胆嚢摘出術と肝外胆管切除術が推奨される。

超音波検査士認定試験対策臨床編:消化器領域を主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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