solid-pseudopapillary neoplasm
ほとんどが若年女性に発生する腫瘍である。大部分は良性腫瘍であるが、悪性例の報告もある。多くは厚い線維性被膜を有する球形腫瘍で、充実部分と出血壊死性の嚢胞部分が共存するが、まれに嚢胞部分のない例がみられる。
超音波所見
- 輪郭明瞭、平滑
- 内部に不整形の嚢胞成分と充実性成分が混在する(腫瘍が小さい場合には低エコーを示す腫瘍として描出される)
- 石灰化を伴う(嚢胞壁に20~30%の頻度でみられる)
- 尾側膵管の拡張はみられないか、軽度の平滑拡張(圧排性の変化を受けるため)
ドプラ所見
通常、腫瘍血管に乏しく、ドプラ法では腫瘍内に血流は検出されないことが多い。検出されるとしても腫瘍の辺縁に認められることが多い。
鑑別疾患
内分泌腫瘍:ドプラ法にて血流が豊富である
腺房細胞腫瘍 acinar cell neoplasm
膵に発生する腫瘍の0.6%といわれ、中高年層に多いとされる。充実性の結節性腫瘍で、中心部は壊死傾向が強い。
超音波所見
- 輪郭明瞭、平滑
- 内部不均一(腺腔形成を反映して内部に点状の高エコーがみられる)
- 尾側膵管の拡張はみられないが、ときに軽度の平滑拡張を認めることがある(圧排性の変化を受けるため)
転移性膵腫瘍 metastatic pancreatic tumors
膵臓への転移は脾臓と並んで少なく、膵に発生する腫瘍の約2~4%といわれている。肺癌、腎細胞癌からの転移が比較的多く、乳癌、甲状腺癌からの転移もみられる。膵に転移性腫瘍が発見された時にはすでに多臓器に転移していることが多い。
超音波所見
- 輪郭明瞭、平滑
- 膵管の拡張はみられないか、圧排により軽度の拡張を示す
ドプラ所見
原発腫瘍の性状に類似する
鑑別疾患
膵充実性腫瘍:他の臓器に原発性腫瘍がない
日超検腹部超音波テキストを主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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