膵癌
膵管上皮細胞を発生母地とする上皮性外分泌悪性腫瘍である。
病理組織学的に膵管癌、膵内分泌癌、腺房細胞癌に分類される。
膵癌のほとんどが膵管癌である。(浸潤性膵管癌 invasive ductal carcinomas:IDCs)
発生部位により、頭部癌、体部癌、尾部癌、全体癌、鉤部癌に区別される。
超音波所見
境界不明瞭な低エコー腫瘤
→浸潤傾向が強いため境界が不明瞭化する。
→間質の結合織増生のため内部エコーは低エコーとなり、後方エコーは減弱する。
尾側膵管の拡張
→膵頭部に好発するため、尾側膵管が拡張することが多い。
→拡張した膵管が分節状に観察される(数珠状拡張)
腫瘍内の血管が乏しい
→癌の浸潤に伴い周囲に線維性変化を来し、乏血性になるといわれている。
超音波検査に役立つ疾患の特徴
膵頭部(約60%)に好発する。膵体尾部は30~40%。
60歳以上に好発、明確な性差なし。(若干男性多い)
腫瘤の境界が不明瞭で周囲組織にびまん性に浸潤するタイプもある。
→膵全体癌:5~10%
膵体尾部の症例では黄疸などの症状が出現しにくく、進行して発見されることが多い
発見された時点で大血管(門脈、脾静脈、上腸間膜静脈(SMV)、上腸間膜動脈(SMA)、腹腔動脈)へ浸潤し、周囲リンパ節や肝臓、腹膜に転移していることが多い。
→発見が遅れるため浸潤、転移しやすい
→膵癌を疑えば脈管壁の肥厚や不整などにも注意を払う必要がある
→現在では、診断時に手術可能な人は10~20%程度
→切除できた場合でも5年生存率は5~20%と低い
超音波検査士認定試験対策臨床編:消化器領域を主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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