胃癌

消化管

胃癌 gastric cancer

胃癌の発生率は40~70歳に多く、60歳代でピークとなる。男女比では1.88:1の割合で男性に多く、若年者では女性に多い傾向を認める。胃幽門腺領域には分化型癌が、胃底腺領域には未分化型癌が多く発生する。

胃癌はその浸潤の程度により早期胃癌と進行胃癌に分類される。早期胃癌は癌の浸潤が粘膜および粘膜下層に限局する病変であり、リンパ節転移の有無を問わない。進行胃癌は固有筋層以下(固有筋層、漿膜下層、漿膜層、漿膜外層)に浸潤しているものである。

超音波所見

  1. 胃壁の限局性、びまん性肥厚
  2. 早期癌では表層の低エコー層壁肥厚
    • 早期胃癌は深達度が粘膜下層までで、リンパ節転移の有無は問わない
    • そのため、壁肥厚も第3層までにとどまる
  3. 進行癌は不整な低エコー腫瘤像を呈し、全周性ではpseudokidney signを呈する
    • 進行胃癌は固有筋層より深層(固有筋層、漿膜下層、漿膜層、漿膜外層)に浸潤しているもの
    • そのため、壁肥厚はほぼ全層に及ぶ

超音波検査に役立つ疾患の特徴

日本消化器がん検診学会平成21年度全国集計での胃癌の発生部位は、胃上部(U領域)20.7%、胃中部(M領域)45.9%、胃下部(L領域)32.2%となっている

胃癌はアジア(日本、中国、韓国)や南米で多く、その他の地域ではそれほど発生していない。

胃癌の転移形式

  1. リンパ行性:所属リンパ節、Virchowリンパ節転移
    • →左鎖骨上窩リンパ節への逆行性転移で全身に転移
  2. 血行性:肝、肺、骨など
  3. 播種性:癌性腹膜炎、Krukenberg転移(卵巣)、Schnitzler転移(ダグラス窩)
  4. 直接浸潤:膵臓、肝、横行結腸などの周辺臓器

超音波検査士認定試験対策臨床編:消化器領域を主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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