先天性胆道拡張症 congenital biliary dilatation
先天性胆道拡張症は、肝内あるいは肝外胆管が嚢状あるいは紡錘状に拡張する疾患である。
形態学的な分類では、Alonso-Lej分類に肝内胆管の拡張と、膵胆管合流異常の概念を取り入れた戸谷分類が広く用いられている。この分類のⅠ型は総胆管嚢腫や総胆管拡張症に相当し、Ⅴ型は肝内胆管拡張症で肝内の広範囲に嚢腫状拡張する病態でCaroli病が含まれる。
超音波所見
胆管は嚢腫状あるいは紡錘状の拡張を呈す。
- 先天性胆道拡張症Ⅰ型は、肝外胆管が嚢腫状あるいは紡錘状に拡張し、肝内胆管の拡張はみられない。嚢腫状に拡張した場合は胆嚢と見間違いやすい。
- 先天性胆道拡張症Ⅱ型は憩室型で、肝内、肝外胆管のいずれかに憩室がみられるまれな症例である。
- 先天性胆道拡張症Ⅴ型は、肝内胆管が単発あるいは多発型に拡張している。
超音波検査に役立つ疾患の特徴
先天性肝内胆管嚢胞状拡張症(カロリ病)
- 小児期から青年期までに発症する例が多く、男女差はない。
- 純型と肝線維症合併型に分けられ、純型では胆管結石や胆管炎をしばしば合併する。
総胆管拡張症(総胆管嚢腫・総胆管嚢胞)
- 女性に多く、大半が小児期に発症する。
- 膵胆管合流異常に高率に合併する。
- 総胆管結石や胆嚢結石を合併する頻度が高い。
- 胆管癌を高率に合併する。
日超検腹部超音波テキストと超音波検査士認定試験対策臨床編:消化器領域を主に参考にして勉強して作成しました。
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