慢性甲状腺炎(橋本病)の急性増悪 acute exacerbation of Hashimoto’s thyroiditis
慢性甲状腺炎(橋本病)の経過中にきわめてまれに、甲状腺部の疼痛と炎症反応(発熱、赤沈亢進、CRP陽性)、放射性ヨウ素摂取率の低値、一過性の甲状腺中毒症状など、亜急性甲状腺炎に類似した病態を呈する場合がある。40~60歳代の女性に多い。甲状腺機能は発症時甲状腺中毒症が多いが、機能低下の状態もある。
亜急性甲状腺炎と異なる点
- 上気道感染が先行することはない
- 甲状腺の疼痛は甲状腺全体に広がり全体が腫大する点
- TPOAbとTgAbが強陽性であること
- 一過性の甲状腺中毒症状に続いて急速にあるいは再発を繰り返しながらゆっくりと甲状腺機能低下症に移行すること
- 炎症がなかなか改善せず経過が長い(3ヶ月以上)ことがある
- 甲状腺腫が残る
- ステロイド治療を行っても薬の減量に伴い再び症状の悪化を認め、治療に抵抗性であることが多い
超音波診断
- 甲状腺全体の腫大と内部エコーレベルの低下と不均質が目立つ
- 内部の血流は全体に低下していることが多い
甲状腺超音波診断ガイドブックを主に参考にして勉強して作成しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント